買取堂の高山良策コレクション
投稿日:「怪獣の父」高山良策大先生の超貴重な展覧会図録などが入荷しましたので、記念のご報告。 ちなみに店主は幼稚園の頃は怪獣博士と呼ばれていましたが、中学生以降は漫画ソムリエ、私設漫画図書館館長にジョブチェンジしてしまいました。特撮ファンの皆様、宗旨変えしてしまい申し訳ございません。 高山良策の名前だけは知っていたのですが、今回仕入れて、彼の仕事を初めてまじまじと観察することが出来ました。作品に共通するのは神話的というよりは民話的・土俗的なイメージが作品に投影されている点だと店主は感じました。そして、そのイメージがウルトラマンやゴジラのあの独特の造形を形成しているのだと思いました。高山良策の世界展の方には、特撮以外の作品も掲載されています。抽象的ではあっても、観念的ではない。例えば、山に一人でいると感じるような怖さや神々しさと村や里の共同体の温かさが入り混じった作品が多いように思います。怖いけど地獄ではなく、異形だけども悪魔ではない。不気味さと温かさを兼ね備えた作品が多いように私には見えました。そういう意味では水木しげる先生の妖怪デザインにも通じます。近代が完成し切らない、里山と都市が入り混じった戦後の高度経済成長期という奇跡の時代と天才の感性が「怪獣」を可能にしたのだと店主は思いました。